「常識的に申請しない」「困ってない人はもらうべきじゃない」「もらっても確定申告で返してもらう」「返せない」
そもそも、「もらう」ものでしょうか。もらうものであればくれる人がいます。それは政府でしょうか、国でしょうか。日本は王国ではないため、お金をくれる王様はいませんし、国も政府もお金を生み出すことはできません。過去や未来の国民の税金から、都合をつけているにすぎません。
10万円給付は、誰かから10万円もらったというよりも、カードローンかサラ金から10万円引き出した方に近いといえるのではないかと思います。キャッシングする時にもらうという人はいません。国民全員に10万円計13兆円キャッシングします。将来13兆円回収されますが、各人10万円キャッシングしているかどうかは確認されることはないでしょう。
税金と給付は別個に考えるものではないと思います。自由経済で行き過ぎる格差を緩和する役割も担っています。
税金は所得や生活状況に応じた細やかな設定が可能ですが、スピード感にかけ、税金がかからないほど収入の少ない人にはそれ以上の調整ができません。
給付は、収入が少ない人への調整が可能でスピード感はありますが、収入が多い人の調整は出来ません。
緊急事態においては、給付によって素早く調整を行い、税金で高所得者の調整を行うことになります。緊急時に給付するにあたり収入による調整をすることでスピード感を落とすことはナンセンスだと思います。
では税金でどうやって回収するのか。
震災費用は今も回収され続けています。復興特別所得税です。所得税(税収13兆円)の2.1%を25年で約7兆円。残り約半分と13兆円を25年で返済しようとすると、1年当り7千億円。所得税の約5%。
私が財務省なら、コロナ騒ぎが収まったころ復興特別所得税を5%にし平成49年までだった期限を令和30年くらいまで延長します。税金がかからないほど収入が低い人やコロナにより多額の損失を抱えてしまった人は復興特別所得税もかかりませんが、高所得者は受け取った給付金の何倍もの復興特別所得税の支払い義務が生じます。しかし、それが税の仕組みです。10万円を受け取っていないから復興特別所得税を払わないなんて通じません。
確定申告しない人はもらったものを返すことはないとの意見もありますが、サラリーマンも復興特別所得税は天引きされています。
払うべきは払い受け取るべきは受け取るのが国民の義務であって、そのうえで、それを寄付に回すか復興のために使うかは自分で考えるべきだと思います。