上れば上るほど苦しくなって、下りになってもやっぱり苦しかった竹内峠を越え、残すところ20キロ。時間はまだ夜明け前の4時で、時速3キロになったとしてもタイムリミットの10時までには大阪城に着けそう。ここまで来れば大丈夫、もう自分の中では着いたも同然状態になっていました。
20キロ手前のバス停のベンチで、これが最後の足のメンテナンスかなと思いながら足にクリームを塗っていると、女性がもう限界ですと言うようなことをいいながらベンチに腰かけられました。
すでに着いたも同然状態の私は「ここまで来ればもうすぐですから、7時までに90キロを通過すればゴールできるんじゃないですか。もう20キロくらいですから多分これが最後のメンテです。」とかいいながら颯爽と(実際はひょこひょこと)歩いていきました。
もしかしたら、このハイ状態の時に話した女性ではないかと思われる方がブログを書いておられます。
http://www.yamareco.com/modules/diary/9908-detail-13820
もしこの方なら、話した後20キロをノンストップで歩いて9時過ぎに100キロを完歩されたことになります。すごい。
私はといいますと、その後頻繁に休憩と足のメンテナンスを繰り返しながらぎりぎり7時前に90キロ地点を通過し、家庭の事情もあって9時半過ぎになんとかゴールしました。
人を勇気づける一言は、必ずしも立派な人ばかりが言うわけではなく、軟弱な人間が何気なく言った一言である時もあるんだなあと、人の交わりの不思議さとすばらしさを実感しました。
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